「おもたいぞうさん」を弾き分ける4歳の感性!(Yちゃん、4歳、エレクトーン出張レッスン)~感性を育てるレッスンをしています♪

こんにちは(*^-^*)

東京都足立区でエレクトーン教室・ミュージックベル教室を開いております「co-nekoみゅーじっく・こねこのて音楽教室」の檜垣(ひがき)です。

先日のレッスンでの出来事でした。
感性と、歌ってすごいな…と思ったエピソードです。 

「どうしてそんなにゆっくり弾いたの?」…その謎はまさかの!

Yちゃん(4歳・女の子)は最近ちょっとエレクトーンの練習が偏りがち、と、お母さまからのお話。

「『かえるのうた』だけは気に入ってるみたいで毎回弾いてるんですけどね…どうも他の曲は「イヤ!」と…」

いい意味で、好き嫌いやこだわりがしっかりとあるYちゃん。
新しいことをやろうとすると「できないからイヤ!」と、ハッキリ拒否するYちゃん。

レッスンは新しいことをいっぱい覚えていくところだから、最初からみんなできちゃうわけじゃないんだよ。
大丈夫、先生といっしょにやろうね?
ほーらできた!じょうず!今度はYちゃん1人でできるかな?

「イヤ!」

…即答ですか(;^ω^)

でも、こんなやり取りを何度も何度も繰り返していくうちに…覚えちゃうものです。

さて。

テキストも進んできて、もう少しで『つなひきぞうさん』もクリアできそうだなというところまで来たのだけれども…どうにも進めず。
まるでテキストの中のイラストの「エンジンがかからなくなっちゃったおじさんのくるま」みたい。

押してみようか…
引いてみようか…
どうしようか…

そこで。

我が家のぬいぐるみさんたちにチカラを貸してもらうことにしたのでした…!

出張レッスンに行くには…のカバンの数(笑)

いつものレッスン用のカバンの他に…ぞうさんのぬいぐるみの入ったカバンを手に。
「どこ行くんですか?」と言わんばかりの大荷物。

いいんですいいんです。慣れてます♪

以前から、ぬいぐるみさん達に助けてもらったこと、数知れず。
我が家にはテキストに出てくるどうぶつたちのぬいぐるみさんがいっぱいいます。
(その他にもたくさんいますけど(*^-^*))

「Yちゃん、つれてきたよ、ぞうさん」

「どこ?」

「ほら、ここ、カバンの中」

「なーんだにんぎょうじゃん」

リアルぞうさんは無理ですって(笑)
入口バキバキって壊れちゃうよ?ってケラケラ笑って。
マンションの管理人さんに「ダメです~!」って怒られちゃうね、なんて、また笑って。

私も小さいころからぬいぐるみ大好き人間として育ちましたから…いくらでもお話できちゃうんです、ぬいぐるみさんと。

「ねぇねぇYちゃん」

「だれ?」

「ボクだよボク…ボクの声が聞こえる?」

「…うん」

「ぞうさんの曲、弾いてくれるの?」

「…うん!!!」

やった♪
この元気のいいお返事が聞けたら、きっと大丈夫!

Yちゃんその後、とっても元気よく『つなひきぞうさん』を弾いてくれました!
しかも、ドレミで歌いながら♪
途中から出てくる左手メロディーのところ、いつも通りのひく~い声で歌いながら…

あれ?

Yちゃん、今日は左手メロディーのところ、ちょっと伴奏よりゆっくりな感じです。
指もいつもよりもちょっとチカラが入ってる感じ。

「あのね、おもたいぞうさんのかんじでひいたの!」

…すごくないですか。
「おもたいぞうさんのかんじ」に弾くって…

「おもたいぞうさん」はノッシ…ノッシ…って歩くから、ゆっくりなんだよ、だからね…って…

そばで聞いていてくださったお母さまも、同じ感想を。
「重たいぞうさんの感じで弾くっていう感性…すごいなと思って…」と。

感性が豊かな「音楽人」を育てていくために

「感性」って、持って生まれたものももちろんあります。

でも。

育っていく中で身についていくといいますか、得ていくといいますか…後付け(表現難しい!)の感性というものもあります。

それを。

できるだけレッスンの中で、日常生活の中で、たくさんたくさんプレゼントしてあげたいと思うのです。

残念ながら。
まだお子さんの手は小さいし、育つ途中です。
無理に弾くことで、成長途中の指に無理な負担がかかることもあります。

そして、目や耳の発育段階も影響するものがあります。

生まれながらにして文字が読める子は基本的にはいないわけで。
文字や音符を認識して行ける「年齢」というのは、ある程度の年齢になってから、と言われています。

私がレッスンでも活用させていただいている「呉暁」先生の本によれば。

子供が「ふよみ」に興味を示すのは「5歳程度」だそう。

4歳の生徒さんに磁石でホワイトボードに貼るタイプの「ふよみ練習」をやってもらったところ、音の高さではなく、なんと「磁石の色を答えた」という記述があります。

つまり、4歳は「五線紙」「音符」という言葉を先生から聞いていても、「楽譜」としては認識していないようです。

呉先生のテキストには「4才のリズムとソルフェージュ」という本があります。

4才のリズムとソルフェージュ - 音楽之友社
楽器にふれる前に、幼児の新鮮な関心と注意力をリズムや音そのものに向ける。《リズム》と《ふよみとソルフェージュ》の二部。

この本を当教室では必ず全員やっていますが…見ていただくとビックリするほど大きな音符が書いてあります。

でも。

4歳の子が音符を認識するためには、このぐらいの大きさ、必要なのだそうです。

確かに。

音符のトランプとかカードみたいなものも販売されていますが、それはさらに大きいです(当教室では3歳は音符カードを使っています)
目の発育段階として。

まだこれから…の月齢でできるようになっていくことを、その前の月齢でゴリゴリ教えるのは…楽しくなくなっちゃうよね、ということで、こねこのて音楽教室(足立区)ではお子さんのうちは特に「うたってみよう!」にチカラを入れています。

歌はまねっこできます。
そして、小さいころからお母さんの歌を聞き、ご家族の歌を聞き…幼稚園や保育園でも「いっしょに歌い」。

人生の初期段階で、こんなにも「リピートアフターミー」的な学び方ってない、と思うのです。

理にかなっている、とでもいいましょうか…
そう思うのです。

「最初は先生と一緒にドレミで歌ってみよう!」

参考音源を聞きながら、いつも一緒に歌います。

♪ミーレードー ファーミーレー…

元気よく歌う『つなひきぞうさん』

後半は左手メロディになります。

歌も当然1オクターブ下がることになる訳ですが…4歳には、そして私にも「1オクターブ低い声」はなかなかにキビシイ!!

でも、そこは気持ちを込めて、おおきなぞうさんがノッシ…ノッシ…歩いてくるみたいに、できるかぎりのひく~い声で歌うのです…

♪ミーレードー ファーミーレー…

表記できるならば…全部の音に濁点がついてるぐらいのドスのきいた声で(笑)
もう、顔まで必死です(笑)
おおきい、おおきいぞうさんがノッシ…ノッシ…歩いてくる様子を、いっしょに思い浮かべながら歌っています。

その歌を数週間歌っていましたので。
Yちゃんの中には、左手で弾く「おおきなぞうさん」のイメージはしっかりできあがっています。多分。

その結果が…しっかりと演奏に出てきたのです。

「あのね、おもたいぞうさんのかんじでひいたの!」

この言葉を聞いて、確信しました。
小さい子のレッスンほど、感性を育てるレッスンって大事だし、ちゃんと伝えられたかなって。

お母さまと目を見合わせて、2人でウルウルしてしまいました。

その横で。
お兄ちゃん(6歳)が「ぼくの時はぞうさんこなかった…」という顔…(ごめんね!!今度は連れてくる!!)

そうなの。
お兄ちゃん、もう少し先の曲に…再びぞうさん登場なのよね♪
今度はぞうさんと一緒に弾こう!

…ぞうさんだけじゃなくて、ほかの子も来ちゃうかもよ!?

レッスン終了後。
まさかの両家族(生徒さん宅と我が家)ぬいぐるみ大好き一家という共通点まで発覚!
最後はぬいぐるみさんたちと集合写真を撮って、笑顔のレッスンは幕を閉じたのでした♪

(参考図書)

『ソルフェージュからピアノへ-4・5歳児のピアノ指導-』(音楽之友社、1987年)

ソルフェージュからピアノへ - 音楽之友社
楽器を始める段階でのソルフェージュ学習の重要性を説く著者が、実際の指導の現場に即して、「何を」「いかにして」教えるかを系統立てて示す。

『4才のピアノとソルフェージュ』(音楽之友社、1984年)

4才のリズムとソルフェージュ - 音楽之友社
楽器にふれる前に、幼児の新鮮な関心と注意力をリズムや音そのものに向ける。《リズム》と《ふよみとソルフェージュ》の二部。

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